君を想えば

古ぼけた汚い家の窓際で
妹と弟に島を出て行けと伝えた
3人ボッチの中学生の私には
どうやってこの2人を守ろうかと必死だった
必ず抜け出すようにと約束をして17年が経ち

いつの日か学校へ行かない弟と話した
ゲーム機をくれたら行くと言うから
アルバイト代でゲーム機を買って渡した。
翌日、彼は結局行かなかった。

黙り込んでずーっとずーっと何時間も側に座っていただけの無力な私だった。

話してくれるまで待ち続けた。
何時間か経ち突然胸を押さえ彼は泣き出した。

もう、見守ってあげようと決めた。

17年経ち今じゃ、逞しく働きづめの毎日を送り
約束通り妹は高校卒業と共に弟も私も15歳で島を離れた。
まだまだ半人前な私達だけれど
姉らしくしてやれない私もいるし
彼の方がやはり立派だ。

東京へ来て、彼の苦しみや悲しみを拭う事も出来ないまま時は経ち、書き留めた曲を先日弟に送り付けた。

ありがとうと一言
なんだか、私は緊張した。

「君を想えば」
10年以上前の曲ですが。
相変わらずの手作り音源を音届けしたいとおもいます。

彼は立派な調理師になりました。
妹は立派な逞しい母になりました。


カワミツサヤカ


カワミツサヤカ

沖縄県石垣市出身 1984/10/8 カワミツサヤカ

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